地獄でなぜ悪い

チラシの裏みたいなもの

【ライブ】キンモクセイ ちゃんとしたワンマン2019

 2008年の活動休止以来、実に11年ぶりの活動再開記念ライブ、行ってきました。ちょうど図らったように、金木犀の香りがしはじめた今日この頃。

去年の1日限りの復活フリーライブ以来で、その時はめちゃくちゃ感極まるものがあって涙してしまったけど、今回はウルっとはきたけど堪えて楽しめたと思う。

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以下、セットリストやネタバレ。

 

  1. 僕の行方
  2.  二人のアカボシ
  3. 七色の風
  4. 手の鳴る方へ
  5. 人とコウモリ
  6. 同じ空の下で
  7. 香港計画(Vo.佐々木良)
  8. Lemonede(Vo.張替智広)
  9. スウィートララバイ
  10. むすんでひらいて
  11. セレモニー
  12. 車線変更25時
  13. 冬の磁石
  14. びわ
  15. 春のセンセーション(withまちだガールズ・クワイア)
  16. 風の子

アンコール

  1. ふれあいUSA

 

町ガ初めて見たけど、コーラスグループとは知らず。話す声も、話し方も、歌声もとっても心地よくて、歌もすごく上手でよかった!鍛えられてるって良さん言ってたけど、本当にそんな感じ。踊って歌ってもブレてないし。もっと売れてもいいのにねぇ。そのあとのオープニングのVTRも面白くて。劇団のおじいちゃんたちに10年後20年後のキンモクセイを演じてもらいました、とのこと。「後藤だけは本人だったよね?」ってイジられてた(笑)

 

一曲目、僕の行方でウォー!!!っていう会場の一体感があって、わあキンモクセイが帰ってきたんだ…!ってこみ上げるものがあった。デビュー曲を1曲目、そりゃぁもちろんそうでしょう!「ちゃんとしてないワンマン」を次週に控えているので、ベタな曲ばかりやるだろうっていうのもあってだいたい予想通りのセットリストで、満足満足。香港計画、Lemonedeは意外だったけど、こういうテイスト違う曲が入ってくるのも嬉しい。「オイラたちにも歌わせろやい!お前ばっかりずるいぞ!」(鼻が詰まったような声で)とか言う良さんとハリー。むすんでひらいて がすごい好きなので、聴けて本当に良かった。CDの頃よりも、より重厚で優しく、でも力強さも感じた。これは10年分の進化ってやつなのかな。イトシュンの声は透き通っていて、本当に心を洗われるような気持ちになる。

 

復活して、SNSでの様子もそうだしライブ見てもそうだけど、思ったのが、とにかくおじさんたちが楽しそうで。本人たちも「10年も経つとお互いに距離の取り方がうまくなっている」(イトシュン)と話していて、それをこちら側からもひしひしと感じるし、本人たちが楽しくて、お客さん含めて同窓会みたいに昔の仲間と集まりたかったんだ!っていう熱意もすごく感じた。「今日は来てくれて本当にありがとう」「嬉しさと感動でいっぱい」「お互いに健康第一で目一杯楽しもう」などと口々に語っていたし。

 

中でもリーダー白井さんが「最後のライブ(横浜)ブリッツの記憶がない、辛すぎて。DVDも持ってるけど、一度も見れたことがなくて。でも、もう見れる気がする。今日は記念日だと思う。キンモクセイが再出発して、地元相模原でライブができた記念日。幕が開いて、大勢の人が拍手して迎えてくれて、キンモクセイやってきて今日が一番幸せで一番濃い日だと思う。いま異常にしあわせ」と言ってたのにグッときた。白井さんってリーダーでツッコミ役っていうかいつも冷静なイメージだったから、そんなに感極まってるのかって。

 

しかも、その最後のライブのブリッツ見に行ってましたよわたし、と。フリーライブしか行ったことなくて、お金払って行くキンモクライブはブリッツが初だったのよね。当時は全くそんな風には感じなくて。そのあとすぐに活動休止してしまったので、もう二度と生で聴けないのかも…と悲しかった。引っ越しの度に、ライブで買ったTシャツとタオルを断捨離するかしないかで悩んで、いつかの為にって置いてたの。そのいつかがやってくるとは…そして、今回もピアノを習い始めた長男を連れて行って、まさか11年前の自分が、自分の息子とキンモクセイのライブに行く日が来るとは思いもしなかった。こんなに嬉しいことってないよなぁ!と、幸せを噛みしめた2時間だった。

 

今回のライブは、所属事務所がないまま活動再開してるので1から全部手作り。復活はどうせなら地元でやりたい=相模原文化会館か!となったものの、1200超えのキャパが埋まるか不安だった、という話のときにイトシュンが「最悪セット作れば200くらいのキャパにできるって聞いて、ココ(相模原文化会館)をとったんです」という言い方をして「とったって、合ってるっちゃ合ってるけど(笑)」とメンバーたち。「とった」という意味について、所属事務所がないため、自分たちで会場探し、予約、準備など全部やった、とのこと。なので「(自分たちで)とった(予約した)」とのこと。「自分たちだけで活動再開だって浮かれて決めたけど、待っててくれる人がどれくらいいるか不安だった。当日券も出せないくらいの人が集まってくれて、本当によかった。まさかこんなに集まってくれるなんて!」と言っていて、待ってましたよ!と声を大にして言いたかった。

 

11年も待たせちゃったから、みんな歳とったよね?お互いに。と(笑)オープニングからスタンディングだったので「各々、この曲は休む曲だなとか、よきところで座って、みんな腰や膝を大事に。健康第一!」とファンを気遣ってくれる優しさ。でも、なんだかんだほとんどスタンディングで、途中トークの時だったかな「みんな!ここは座るところだから!休まないと足腰に来るでしょ!」とリーダーの気遣いが半端ない。メンバーも揃って「さすがリーダー!」

 

わたし個人的に、後藤さんのギターに目がいってしまうんだけど。去年のフリーライブでもかわいっ!ってなったんだけど、後藤さんソロっぽいときちょっとしゃがむようにギター弾く姿がたまらないのよね。あと、キンモクの曲ってどこが好きなんだろって冷静に考えたら後藤さんのソロっぽいところ好きかも。リードギターが主張しすぎない、ちょっと懐かしいサウンドみたいなのがいいんだよな。

 

中学の時に好きになって、考えるともう人生の半分くらいキンモクセイが好きなんだな。「ありがとう」って何度も本人たちが口にしていたけど、こちらこそありがとうって言いたいな。張替さんが井上陽水さんのサポートでライブに参加した時に「ハリーさんバンドやらないの?やった方がいいよ、バンド。大事にした方がいい」とアドバイスをもらったそうで。張替さんがサポートした縁で他メンバーも憧れの陽水さんに挨拶できた、と。10年キンモクセイとして活動しなかった期間、それぞれ色々な経験を重ねて、その時間があるからこそ今の良好な関係、距離感が築けているんだと。陽水さんのアドバイスに後押ししてもらったのもあって、復活する運びになった、というようなことも言ってたかな。

 

12月にはベストアルバム、新しいアルバムも出て。ツアーも名阪まわるし、マイペースにやっていきます!なんて言ってたけど、ガツガツやっていて、なんか湧き出るエネルギーみたいなものを感じた!うれしいな。

 

キンモクセイの客層って不思議で、わたし世代の人もチラホラいるし、キンモク世代の人もいるし、うんと若い人もいて。男女もちょっと女性の方が多いかな?くらいで、男性一人の人もいっぱいいた。隣に座った人が若い男の子で、活動休止していても音楽は残るし、生き続けていて、それを聴いて好きだと思って、新しくファンになって活動再開だからライブに行こうって思う人がいるんだなぁ、って思うと音楽って本当に素晴らしいなって思う。

 

長男がいたし、押していたのでアンコール前に出てしまったんだけど、最後写真撮影もあったと知って最後まで居たかったな…と。長男にはド平日だし結構スケジュール的にはしんどい思いをさせてしまったかなと思ったけど、今年からピアノを始めて、ライブを観てめちゃくちゃ刺激があったようで「もっと上手くなりたい!」と興奮して帰宅した。また、一緒に行こうね。次があるって、異常にしあわせだな!